株主・投資家の皆様へ

 株主・投資家の皆様には、平素から格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

 第53期(2018年4月1日から2019年3月31日まで)のご報告を申し上げます。

 当連結会計年度における世界経済は、米中貿易摩擦の影響で減速感、不透明感が高まりました。その中で米国経済は拡張的な財政政策の効果などもあり堅調に推移する一方、製造業は低調に推移し、特に自動車産業においてはセダンタイプの乗用車の販売不振が顕著になりました。中国では米国との貿易摩擦が過熱し、消費や製造業を中心に急激に減速しました。欧州ではドイツにおける「国際調和排ガス・燃費試験方法(WLTP)」導入による自動車販売台数減少といった一時的な要因に加え、中国経済の減速、EU離脱に伴う英国経済混乱への不安などから減速感が増加しました。
 わが国の経済におきましても、公的需要などの内需が下支えとなっているものの、国外経済の景気減速の影響を受け、一般機械や自動車を中心に輸出の減少が見られました。

 このような事業環境の下、当社グループは、主力の車載市場で、米国や中国での市場環境の悪化による影響に加え、これらに伴う在庫調整並びに欧州での自動車販売台数の減少といった一過性の影響を受けましたが、注力して取り組んでいるADAS(先進運転支援システム)向けや電動化の進展に伴い新たに自動車に搭載されているパワートレイン向け等のコネクタの販売が増加しました。インダストリアル市場においては、スマートフォン向けの設備投資が減少したことにより中国からの日本の工作機械受注が大幅に減少したことに加えて、米中貿易摩擦を背景とした設備投資抑制とこれらに伴う在庫調整の影響もあり販売は減少しました。

 営業利益は、中期経営計画で掲げる「生産力の強化」の一環として中国・南通工場(南通意力速電子工業有限公司)が4月に操業を開始しましたが、市場が減速したため生産量が確保できなかったことに加えて、研究開発費、人件費などの将来への成長投資による支出が増加したことで減益となりました。なお、顧客の在庫調整に伴い第4四半期に一時的な生産調整を行いました。

 以上の結果、市況が低迷している中で売上高は過去最高値を更新し、前期比1.4%増の428億3千4百万円となりました。営業利益は前期比27.8%減の60億8千4百万円、経常利益は同19.6%減の63億2千5百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は過年度分の追加税金費用の影響もあり同31.8%減の37億2千2百万円となりました。

 次に今後の見通しについて申し上げます。

 世界経済は、米国の保護主義的な政策に端を発した貿易摩擦の過熱に加え、中国の景気減速や英国のEU離脱により世界経済の不透明さが濃くなってきているものの、主要国での大幅な景気対策や緩和政策が下支えすることで2019年後半には改善が見込まれます。わが国経済においては、公的需要が支えとなるものの、世界経済の弱含みと消費増税の影響により楽観視を許さない状況といえます。

 当社の事業領域である車載市場においては車の電動化やADASの更なる進展が、コンシューマー市場、インダストリアル市場においてはAIやロボットの活用、5G(第5世代移動通信システム)などの技術進歩が顕著であり、より高機能化された製品や新たな製品の開発が進むことが見込まれます。

 こうした状況の下、当社は、「顧客価値を創造する100年企業」を掲げ、長期ビジョンとして売上高1,000億円に向けた取り組みを実行いたします。

 販売面では、車載市場においては安全系やパワートレイン系といった5つのアプリケーション分野に注力し、インダストリアル市場においてはIoTを駆使し、AIやロボティクスといった新しい技術とそれによる新しい生産方式が導入され、ここで使用されるPLCやサーボアンプ、インバータ等の産業機器分野や5Gが到来する通信分野での売上拡大を図ります。また、自動車メーカーの動向を含め、将来の成長に向けたマーケティング活動を強化し、他社より先行したオンリーワン製品の開発を行います。
 生産面では、南通工場の生産増強に加えて、メキシコ新工場の建設に向けた取り組みを開始し、生産能力の拡大を図ります。
 管理面では、コーポレートガバナンスの強化、人財育成とダイバーシティマネジメントの推進を行い、経営基盤を強化して参ります。

 株主・投資家の皆様におかれましては、今後ともより一層のご支援・ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。

2019年7月
取締役会長 佐藤 定雄
代表取締役社長 由木 幾夫


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