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2021年3月期 社長インタビューINTERVIEW WITH THE PRESIDENT IN MARCH 2021

長期ビジョンとして掲げる売上高1,000億円に向けて、
新たな中期経営計画を着実に遂行していきます。

2021年3月期 社長インタビュー

Q: 社長就任の抱負を教えてください。

鈴木:
2021年4月1日付で代表取締役社長に就任いたしました鈴木仁です。由木前社長より経営の舵取り役を引き継ぎ、事業のさらなる成長・発展に向けて全力で取り組んでまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

私は1989年の入社以来、主にエンジニアとして経験を重ね、2006年からは執行役員として、営業やマーケティングにも携わりながら、主に車載事業を中心にグローバルでの事業拡大を推進してまいりました。直近では今後の成長のカギとなる車載PA25領域 ※ や5G、ロボットなど伸長分野のプロジェクトリーダーを務め、中長期の経営計画策定と、プロジェクト推進を行ってきました。今後、30年超の車載領域を中心としたエンジニアと、10年超のマーケティング分析のキャリアを活かし、新経営体制のもと、成長していく企業として、「顧客価値を創造する100年企業」の実現を目指してまいります。

※ PA25領域:セーフティ系、パワートレイン系、モーター、インフォテインメント、2輪の5アプリケーション。

Q: 2021年3月期を振り返り、営業状況を総括願います。

鈴木:
減収・減益ながら第2四半期以降の売上回復とコスト削減効果により、期初予想を上回りました。

当期の営業状況は、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を受け、売上高は前期を下回りましたが、第1四半期を底として回復を示しました。利益面では、操業度の減少に加えて、ベトナム工場がロックダウンにより約1ヵ月操業を停止したことや金・銅の価格高騰などが響き、減益となりました。

主力の車載市場では、インフォテインメント分野 ※ が自動車販売台数の大幅な減少を受け、セーフティ分野も第1四半期における欧米地域の生産停止が響き、いずれも減収となりました。そうした中でパワートレイン分野は、欧州と中国を中心とする環境対応車の需要増により、バッテリー関連などが好調に推移し、過去最高売上となりました。

コンシューマー市場では、巣ごもり需要によりゲーム機向けやテレビ向けで売上高が増加しました。インダストリアル市場では、中国の景気回復を背景にFA関連機器の需要が増加し、増収となりました。

結果として連結業績は、売上高365億20百万円(前期比7.8%減)、営業利益29億円(同37.3%減)、経常利益29億70百万円(同36.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益21億41百万円(同34.8%減)となりました。減収・減益ながら第2四半期以降の売上回復とコスト削減効果によって、期初の予想数値を大きく上回りました。

※情報(インフォメーション)と娯楽(エンターテインメント)の両方を提供する車載情報通信システム。

Q: 中期経営計画の見直しについてご説明願います。

鈴木:
市場の変化を踏まえ、3年後の業績目標を再設定。長期ビジョン実現への足場を固めていきます。

このたび当社は、2020年8月に公表した中期経営計画(2021年3月期~2023年3月期)を見直し、2022年3月期からの3ヵ年を計画期間とする形で再策定しました。従前の計画は、コロナ禍によるマイナス影響を大きめに想定していましたが、その後の市場に変化が生じ、事業環境が改善傾向を示していることを踏まえ、3年後の業績目標をあらためて定めたものです。

具体的には、2024年3月期の連結業績における「売上高520億円」「営業利益率20%」を目標に掲げ、自動車市場の急回復とNEV(New Energy Vehicle)車シフトの加速を取り込むことで達成を図ります。重点施策は、従前の計画内容を維持し「戦略的セグメンテーション+グローバル強化」「車載市場(PA25領域)の強化」「第二の柱の早期確立」「フローティングを核とした技術開発力の強化」「生産力、コスト力、品質力の強化」「経営インフラの強化」の6項目を推進します。

当社は、この3ヵ年計画を通じて成長軌道への回帰を果たすとともに、「売上高1,000億円」を目指す長期ビジョン実現への足場を固めてまいります。

Q: 2022年3月期の見通しはいかがですか?

鈴木:
持続的な成長に向けた取り組みを強化していきます。

当社事業においては、環境対応車の増加によりパワートレイン分野がさらに伸長し、セーフティ分野とインフォテインメント分野の伸びも期待できることから、車載市場の売上拡大を見込んでいます。またコンシューマー市場は、ゲーム機向け・テレビ向けの好調が続き、インダストリアル市場は、横ばいを維持すると見ています。

利益面では、操業度増加により固定費の回収が進むとともに、自動化・合理化による原価低減効果を実現し、運搬費の増加や原材料価格の上昇を吸収できる見込みです。

以上を前提として今期の連結業績は、売上高420億円(前期比15.0%増)、営業利益67億円(同131.0%増)、経常利益66億円(同122.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益48億円(同124.1%増)を予想しています。

中期経営計画の目標達成に向けた足掛かりの1年と位置付け、売上回復と利益率の改善を図りながら、将来のための仕込みも開発・営業の両面で実施する方針です。

株主の皆様へのメッセージをお願いします。

鈴木:
1株当たり50円の期末配当を実施。引き続き業績の向上による利益還元の拡充を目指します。

今回の期末配当は、当期の連結業績が想定を上回ったことを反映し、当初の予定から10円増額となる1株当たり50円(前期同額)とさせていただきました。2022年3月期の期末配当は、同60円を予定しています。引き続き配当性向30%以上を基本とする安定配当を維持し、業績の向上による利益還元の拡充を目指します。

株主の皆様におかれましては、当社事業のさらなる発展にご期待いただき、これからも長期的なご支援を賜りますようお願い申し上げます。