IRISO

MENU

株主・投資家の皆様へTO SHAREHOLDERS AND INVESTORS

株主・投資家の皆様へ

株主・投資家の皆様には、平素から格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

第55期(2020年4月1日から2021年3月31日まで)のご報告を申し上げます。

当連結会計年度における世界経済は、第1四半期においては新型コロナウイルスの世界的流行の影響により停滞しておりましたが、第2四半期以降は一部地域での感染再拡大による先行きの不透明さは残しつつも予想を上回る回復局面へと向かいました。

欧米、日本地域の景気は概ね4月を底にして回復し、自動車業界においても生産活動の再開により生産・販売台数に持ち直しの動きが見られましたが、第4四半期には欧米での新型コロナウイルスの感染再拡大や、世界的な半導体不足の影響により減速しました。一方、中国では、新型コロナウイルス流行の早期ピークアウトにより景気の回復が早く、環境対応車への補助金の継続なども奏功し、自動車販売台数は前期を上回りました。

このような事業環境の下、当社グループの売上高は当連結会計年度において前期比で減少したものの、第1四半期を底として回復し、第3四半期連結会計期間(2020年10月~12月)では過去全ての四半期連結会計期間(3カ月間)において、同一為替レートを適用した場合に当社史上最高となり、新型コロナウイルスの第一波感染拡大による生産・消費の停滞局面から回復局面へと向かいました。

主力である車載市場の売上高は、新型コロナウイルス感染拡大により、米国や欧州を中心とした主要地域において第1四半期に販売先の生産活動停止や販売低迷の影響を受け、前期比で減少しました。インフォテインメント分野では、コックピット化やコネクティッド対応等の将来の変化を見据えた新たな製品の開発を進めておりますが、自動車販売台数の大幅な減少及び自動車1台あたりのコネクタの搭載数量の減少の影響もあり、売上高が減少しました。セーフティ分野では、安全系のADAS(先進運転支援システム)向けに注力しておりますが、第1四半期での欧米地域での生産停止の影響を受け、前期比で売上高が減少しました。パワートレイン分野では、自動車の販売台数が前年比で減少しているものの、世界的に環境政策が広がり、特に中国での補助金の継続や欧州での補助金増額等により環境対応車の需要が増加しました。その結果、環境対応車で新たに搭載される機器に対応したバッテリー関連や外部給電用インバーター向けが好調となり、売上高が前期比で約70%増加しました。

コンシューマー市場においては、コロナ禍での巣ごもり需要によりゲーム機向けやテレビ向けで売上高が増加し、前期比で増収となりました。

インダストリアル市場は、中国での景気回復によるFA関連機器の需要増加により、前期比で増収となりました。

以上の結果、売上高は、前期比7.8%減の365億2千万円となりました。利益面では、売上高の減少及び金や銅の価格高騰、輸送コストの増加等に加えて、当社ベトナム生産子会社が所在するハイズオン省における都市封鎖措置(ロックダウン)による約1カ月間の操業停止で大きな影響を受けたものの、徹底したコスト削減活動に努めた結果、営業利益は前期比37.3%減の29億円、経常利益は同36.4%減の29億7千万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同34.8%減の21億4千1百万円となりました。

次に今後の見通しについて申し上げます。

世界経済は、新型コロナウイルスのワクチ3ン接種率の差などにより国や地域によっては景気回復に強弱があると予想されますが、米国や中国が牽引する形でコロナ禍からの回復傾向にあります。当社の主力領域である車載市場においては、2021年の自動車販売台数が7,800万台から8,600万台へと2020年を底に急激に回復していくと想定しております。

一方で、新型コロナウイルスの感染再拡大、金や銅の価格高騰に伴う材料費の増加、原材料の安定的な調達活動、輸送コストの上昇等、予断を許さない状況が続くものと予想されます。

当社グループの事業領域において、車載市場では自動車の電動化やADASの進展、コンシューマー市場やインダストリアル市場ではロボット化や5G通信など技術の進歩が顕著であり、既存製品の高機能化とともに、新たな製品の開発が進むことが予想されます。

こうした状況の下、車載市場においては、自動車の電動化やADASの進展に伴い、成長が見込まれる5つのアプリケーション分野「セーフティ系、パワートレイン系、モーター系、インフォテインメント系、2輪系」に注力いたします。また、インダストリアル市場においては、省力化に貢献するPLC、センサー、インバーター、ロボットなどの産業機器分野や5Gが到来する通信分野での売上拡大を図ります。

開発面においては、他社より先行したオンリーワン製品とコアコンピタンスである可動技術を核とした付加価値のある製品の開発を行うべく、マーケティング活動を強化して、顧客ニーズを先取りしたソリューションサービスの拡充を行って参ります。

生産面においては、合理化、スマートファクトリー化により生産力の向上を図り、生産リードタイムの短縮と徹底した原価低減を行います。同時に、コロナ禍での教訓を活かして、従業員の安全確保と顧客への供給責任を果たすためのBCPの再構築を行って参ります。

管理面においては、コーポレートガバナンスの強化を含むESG対応の推進、人財育成とダイバーシティマネジメントの推進、ERPを含む情報インフラの整備を行い、経営基盤を強化して参ります。

以上により、2022年3月期の見通しにつきましては、連結売上高420億円(対前期比15.0%増)、連結営業利益67億円(同131.0%増)、連結経常利益66億円(同122.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益48億円(同124.1%増)を見込んでおります。為替レートは、105円/ドル、127円/ユーロを前提としております。

株主・投資家の皆様におかれましては、今後ともより一層のご支援・ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。

2021年6月
取締役会長 佐藤定雄
代表取締役社長  鈴木 仁