コネクタメーカー イリソ電子工業

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定格電流rated-current

定格電流について

コネクタの定格電流は、通電時の電流値による温度上昇によって決まります。
当社では全極通電とした場合に、30℃上昇となる電流値を定格電流としています。定格温度に対して周辺温度が30℃低い場合に、定格いっぱいまで電流を流すことが出来ます。
一方で、高電流を負荷する極数が全極でない場合や周辺温度が定格温度に対して30℃より低い場合には、定格を超えた電流値を負荷しても問題がない場合もございますので、HPよりお問い合わせいただくか、貴社担当の営業員にお問い合わせください。

当社製品の定格電流

定格電流の鍵

定格電流の鍵となるのは温度上昇です。特別な表記がない場合は、

① 全極通電時に
② 無風環境で
③ 標準的な基板実装で
④ 比通電時から温度が30℃以内である

これらを満たした電流値を「最大定格電流」としています。尚、通電によるコネクタ上昇は発熱と放熱のバランスがとれるまでに相応の時間を要します。信頼性試験などの検証時には温度上昇の挙動も見極めながら実施を行います。

通電によるコネクタ温度上昇

最大定格電流を使用可能な周辺温度

コネクタの定格温度は、各種規格等に定められた連続使用時間、ないしは長期使用時間、該当温度下で製品の機能の健全な維持が可能な温度です。よって「通電/動作による温度上昇分」も含めて定格温度を考える必要があります。

コネクタの通電前の温度、すなわち周辺温度は定格温度より低い必要があり、その差分が通電による温度上昇の許容値となります。たとえば、最大定格いっぱいの電流をコネクタに通電したい場合は、周辺温度は少なくとも定格温度より30℃以上低い必要があります。

動作時のコネクタ温度と定格温度

定格温度によって変わる実際の許容電流量

同じ温度上昇特性をもつ2つのコネクタ、すなわち同じ最大定格電流値をもつ2つのコネクタがあったとします。しかしながら、片方は定格温度が105℃でもう一方が125℃であった場合を考えてみてください。周辺温度が95℃の環境で使用した場合、どうなるでしょうか?

105℃定格コネクタでは、温度上昇が10℃しか許容されませんので、最大定格電流までの通電はできません。たとえば3.0Aの定格であっても、1.0Aや、それ以下しか使えなくなってしまいます。

一方125℃定格であれば、最大温度上昇いっぱいまで余裕がありますので、最大定格温度である3.0Aまできっちり流すことができます。このように定格温度がより高いコネクタは、同じ周辺温度環境下で低い定格の物よりより多い電流を流すことができるのです

定格温度に差がある場合

特定の使用環境下において、最大定格電流より高い電流値が流せるケース

当社での製品の仕様化時には想定しきれないため、仕様項目としての規定や推奨はできませんが、下記のようなケースでは最大定格以上の電流を流せる可能性がございます。

① 特定のピンにしか大きな電流を流さない場合
② 強制的なエアフローなどにより、コネクタ部の放熱が強化される場合
③ 放熱基板等の仕様による温度上昇低減施策のある場合
④ 周辺温度が定格温度-30℃よりずっと低いことが担保されている場合
ラッシュカレント等による瞬時的な定格オーバー

ただしいずれのケースでも、詳細に基づいた検証が必要となります。最終的にはお客様の機器の仕様としての判断となりますが、ご検討の際には内容に応じた評価・検証などのご協力も可能ですので、実仕様などを開示いただきご相談ください。